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コラムカテゴリ:整形外科
ひざ関節の主な診療疾患と専門的治療
公開:2025.02.27
更新:2025.04.07
閲覧数:88view
ひざ関節について
ひざ関節は、体にある関節の中で最も大きく、日常生活の中で私たちの体重を受け止めて支えてくれる重要な関節です。スポーツ中のけがや加齢や肥満などが原因でひざを傷めると、スポーツができなくなり、ひどくなると歩行も難しくなってしまいます。当科では侵襲の小さい関節鏡手術、骨切り術、人工関節手術など、関節痛の原因、障害の程度にあわせた最適な治療を行っています。
スポーツ外傷・障害の専門的治療
関節鏡による最小侵襲手術
・前十字靱帯損傷など膝靱帯損傷
・半月板損傷
・関節軟骨損傷
・関節内遊離体(鼠)
・膝蓋骨脱臼、亜脱臼障害 など
ひざのスポーツ外傷・障害に対し、関節鏡による最小侵襲手術により早期スポーツ復帰を目指します。
前十字靭帯損傷損傷(ACL損傷)
前十字靭帯が切れると、急な方向転換やジャンプの着地の時に膝がガクッとずれる、いわゆる「膝くずれ」が起き、ひざが頼りない感じになります。
治療は膝の内側の腱「ハムストリング腱」や前面の腱「骨付き膝蓋腱」などの「自分の腱」を取って移植する関節鏡視下ACL再建術を行います。
入院期間は約2週間で術後3か月間は膝ブレースを装着します。
半月板損傷
ひざ関節の軟骨のクッションである半月板は、一度損傷してしまうと自然治癒が難しく、放っておくと変形性ひざ関節症を発症することもあるため早期の治療が大切です。
治癒が見込まれる場合は関節鏡視下縫合術を、傷んでしまって治癒が望めない場合は損傷部のみを切除する関節鏡視下半月板部分切除術を行います。
入院期間は部分切除で3~7日間程度、縫合の場合術後ひざの固定を行うため2~3週間となります。
関節軟骨損傷、関節内遊離体(ねずみ)
一度傷ついた軟骨は放置すると、自然修復することはなく、損傷部周囲の正常軟骨まで徐々に剥がれていきます。
治療は剥がれかかった軟骨を関節鏡視下に切除(関節鏡視下遊離体切除)し、細い鋼線(ドリリング法)やピック(マイクロフラクチャー法)を用いて小さな穴をあけ、骨髄から出血を促します。これにより軟骨欠損部には、線維軟骨と呼ばれる組織で修復されます(髄刺激法)
入院期間は3~7日間程度で、病巣が大きい場合1か月程度松葉杖歩行となります。
変形性ひざ関節症に対する専門的治療
中高年者の膝の痛みに対しては、投薬、ヒアルロン酸注射、装具療法、リハビリテーションなどの保存治療を行い、症状が改善しない場合は病期に応じた手術を行います。
変形性膝関節症の病期
病期に応じた変形性ひざ関節症に対する手術治療を行います
関節鏡手術 ― 初期・中期の変形
高位脛骨骨切り術 、人工膝単顆置換術 ― 中期・進行期の変形
全人工膝関節置換術 ― 進行・末期の変形
関節鏡手術 ~ 初期・中期の変形
中高年者の膝の痛みの中には、投薬、注射やリハビリなどの治療を受けても効果が見られないことがあります。MRI検査で半月板損傷や関節軟骨損傷(関節内遊離体)などの異常が認められる場合には、小さな切り口で大きな効果が得られる関節鏡視下手術をおすすめします。
入院期間は3~7日程度で職場復帰も比較的早期に可能です。
高位脛骨骨切り術(High Tibial Osteotomy : HTO) ~ 中期・進行期の変形
人工関節手術は良い手術方法ですが、耐用性に問題があるため30~40代で手術を受けるとその後再手術が必要となる可能性があります。そのため、比較的若い人の変形性ひざ関節症ではO脚変形によって内側に偏った過重なストレスを、自分の骨を切り少し脚の形を変えることで軟骨障害の少ない外側に移動させる高位脛骨骨切り術(HTO)の手術を行います。HTOは、荷重負担が減り、すり減った軟骨の再生を促す効果もあります。またHTOは通常関節鏡手術を併用して行います。入院期間は3~4週間です。
人工膝関節単顆置換術 – UKA ~ 中期・進行期の変形
ひざの変形が比較的少ない患者さまには、より低侵襲で靭帯、骨軟骨を残す部分置換術をうけることも可能です。悪くなっている部分だけを人工関節に置き換える手術で人工膝関節単顆置換術(Unicompartmental Knee Arthroplasty : UKAといいます。人工物への置換は最小限となり、術後より自然な動きが期待できます。入院期間は2~3週間です。
全人工膝関節置換術 – TKA 進行期~末期の変形
変形性膝関節症の中でも、軟骨のすり減りが進行した重度の変形に対しては全人工膝関節手術Total Knee Arthroplasty TKA)を行います。人工膝関節手術は傷んだ関節の表面を取り除き、人工の関節に置き換える手術です。入院はリハビリを含めて3週間程度です。
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