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コラムカテゴリ:皮膚・形成外科
陥⼊⽖と巻き⽖の病態と治療法
公開:2025.01.16
更新:2025.03.11
閲覧数:43view
陥⼊⽖(かんにゅうそう)の治療と巻き⽖の矯正治療(巻き⽖マイスター)
2種類の病態
当院では、⼀般的に巻き⽖と⾔われている疾患を、病態に即して以下のように2つに分けて考えています。多くは、医師が⾔う陥⼊⽖のことで、急に痛くなって受診される⽅が多いです。巻き⽖の場合は感染がなくても、布団などの軽いものが⽖に当たっても痛むという症状です。
陥⼊⽖(+⼆次感染)
病態
陥⼊⽖とは、⽖の付け根からホッチキスのように横⽅向に⽖が⽣えている状態をいいます。
痛む部位
陥⼊した⽖が刺さっているところ 趾先の側⾯を抑えると痛い。
原因
陥⼊⽖の原因は、間違った⽖切りが多く、特に、⾜がすぐに⼤きくなる学童では趾先が当たる(圧迫される)⼩さな靴を履くことが原因となります。 陥⼊した⽖の先端がトゲになって⾁に刺さった場合は,しばしばそこに⼆次感染をおこします。 ⻑期化すると不良⾁芽というぶよぶよの組織ができることも多いです。
治療法
① ⽪膚に刺さっているトゲ状の陥⼊した⽖を切って、刺さらないようにします。
② 炎症が強い・繰り返す場合は、陥⼊している部分の⽖が⽣えないように、陥⼊部の⽖が⽣えないような処置(フェノール法)をします。 (どちらも保険適応です)
巻き⽖
病態
巻き⽖とは、先端に向かうにつれて徐々に弯曲が強くなるものをいいます。
原因
⽖が巻いて⽖の中央部直下が⽖に挟まれており、布団など上から圧迫されると痛い。
治療法
巻き⽖の原因は、⾜の変形の結果として⾜趾が浮いてしまうことによる場合があります(浮き趾) ⾜趾がしっかり床⾯に着けないと、下⽅からの反作⽤が無くなり、⽖が巻いてしまいます 歩⾏しなくなった⽅は、巻き⽖になる傾向が強いです。保険適応では、簡便で有効な治療がありません 。
当院では、⾃費診療で⽖の弯曲を強制する治療を⾏っております。 (巻き⽖マイスター)
陥⼊⽖の正しい⽖の切り⽅
巻き⽖の治療
巻き⽖マイスターの特⻑
当院では、巻き⽖の治療に、巻き⽖マイスター®という器具を使⽤します。
巻き⽖マイスターの治療方法
➀巻き⽖マイスター®本体中央部のコイルばねの中に、形状記憶の超弾性合⾦ワイヤーが内蔵されていて、まげて⽖に装着しても、直線に戻ろうとする⼒が持続し、徐々に⽖を矯正します。
②巻き⽖マイスターを挿⼊すると、持続的にまいた⽖を伸ばそうとする⼒が働き、時間をかけて先端部が開いてきます。
・コイルばねに内蔵されている超弾性合⾦ワイヤーが、持続的にまいた⽖を広げる矯正効果を発揮します。
・低侵襲の医療機器ですので、通常であれば、装着時に⿇酔をする必要はありません。
(治療前)
(治療中)
(マルホの HP より引⽤)
③ 装着に注意を要する⽖、適応が困難な⽖
・⽖を短く切られている⽅
⽖の先端部ではなくより根本側に装着すると、巻き⽖マイスター本体のフック部分が⽖の横の⽪膚にあたって痛む場合があります。その場合は、少し⽖が伸びるまで装着を待っていただきます。フックを⽖に引っかけますので、装着を希望される巻いた⽖は、12mm程度伸ばし、⾓は残してください。
・⽖が薄くてもろい⽅
持続的に⼒がかかるので、⽖が割れる場合があります。
⽖周囲に炎症症状を伴う⽅:状況によりますが、適応できない場合があります。
交換時期・⽇常⽣活の注意点
交換時期
・ 装着期間としては2週間〜数か⽉を想定しています。
・ ⽖が伸びてきたら、むやみに触らず、装着したまま当科を受診してください。
・ 巻き⽖マイスターに破損がなければ、本品を⽖の根元側にスライドさせて再固定し、引き続き装着を継続いたします。
・ 継続不可能な状態であれば、新規に巻き⽖マイスター本体をご購⼊いただきます。
⽇常⽣活の注意点
・装着された⽖の表⾯を医療⽤のテープなどで保護することをおすすめします。
・※テープは衛⽣⾯を考慮し、⼊浴時などに取り換えてください。 ・ 巻き⽖マイスター本体を装着したままお⾵呂に⼊っていただいて構いません。ただし、矯正具が外れないよう⽯鹸などでやさしく洗浄し、⼊浴後はよく乾かしてから、再度テープを貼ってください。 ・ 装着した⽖に⼤きな負荷がかかるスポ―ツ(⽔泳、サッカーなど)はできる限り控えてください。巻き⽖マイスターが外れる可能性があります。(外れてしまった場合、ご⾃⾝で装着しようとはせず、外れた巻き⽖マイスターを持って再度当科を受診してください)
・上記以外に、制限はありません。
料⾦(⾃費診療になります)
診察料:[初診料]¥3,300(税込) / [再診料]¥1,100(税込)
ワイヤー:¥3,300(税込)
⼿技料:¥2,200(税込)
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