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コラムカテゴリ:泌尿器科

精索静脈瘤の治療法と再発に対して

公開:2025.02.28

更新:2025.03.11

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精索静脈瘤とは

足の付け根付近(鼠径部といいます)から陰嚢にかけて、もこもことした血管のふくらみはないでしょうか(図1)。これは精索静脈瘤といって、精巣にいく静脈が逆流して怒脹している状態で、患側はほとんど(90%)が左側です。思春期頃より増加し、一般成人男性においては10-15%に認められるとされます。無症状の方もいらっしゃいますが、怒脹した静脈が周囲の神経を圧迫することで陰嚢から鼠径部にかけて痛みを伴うことがあります。鈍い痛みや引っ張られるような痛みであることが多いですが、ときに太もも付近にまで放散する痛みの場合もあります。また男性不妊の原因ともされ、うっ滞する静脈血により精巣内の温度上昇や酸化ストレス物質の影響で精子を造る力(造精機能)が低下することもあります。グレードは3段階あり、お腹に力を入れてやっと認めるもの(GradeⅠ)から、立った状態で触れるもの(GradeⅡ)、外見で明らかにわかるもの(GradeⅢ)があります。進行性の病気で手術治療が基本ですが、疼痛に対しては鎮痛剤で対処することもあります。小児に認める場合は、精巣の大きさに左右差があるものやGradeⅡ以上で年齢を考慮しながら手術を検討します。

精索静脈瘤の治療

保存的治療

疼痛に対して、解熱鎮痛剤(ロキソプロフェンなど)や漢方薬(桂枝茯苓丸など)の内服薬、サポートタイプの下着で陰嚢を支える、腹圧のかかる運動を控える、などで疼痛を和らげます。疼痛が出現してから早期(6カ月程度まで)では保存的治療を勧めるという報告もあり、これは保存的治療のみで疼痛が軽快することもあり、また他の疼痛の原因を除外するためでもあります。保存的治療で改善しない場合は手術治療が勧められます。

手術治療

顕微鏡下手術:最もよく行われている手術療法で、鼠径部からアプローチします(図2-a)。顕微鏡で精索内を観察して、切ってはいけないもの(精管や動脈など)を温存したうえで静脈をすべて切断します。
腹腔鏡下手術:おへそからアプローチし(図2-b)、腹腔鏡でお腹の内側から観察しながら、精索静脈を切断します。両側例や小児の症例で行われることが多いです。
腹腔鏡下手術の方が再発率や合併症である陰嚢水腫の発症率がやや高いとされますが、その差はわずかで、いずれの治療法も確立された優れた治療法です。当院では両方の手術方法に対応しております。患者様に安心して手術治療を受けていただくため全身麻酔での手術を基本にしており、入院期間は2泊3日としていますが、ご都合に合わせて下半身麻酔(1泊2日)でも行っています。いずれの手術も95%以上で静脈瘤が消失し、男性不妊の方では約60%で精液所見が改善するとされ、疼痛に対しては80%以上の方で改善します。

再発に対して

高い成功率である手術治療ですがときに再発します。以前の手術療法によっては再手術で改善が期待できる場合もあり、当院でも積極的に行っています。難しい場合はカテーテル治療なども選択肢に挙がります。再発で悩んでいる方は一度当院へご相談にいらしてください。

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