胃カメラ(胃内視鏡)受診について
当センターでは平成19年4月より経鼻胃カメラを使っています
当センターで行っている経鼻胃カメラによる胃の検査は、精密検査ではありません。
胃の状態を知るスクリーニング(第一次)検査ですので改めて詳しい検査(精密検査)を胃カメラで受けていただくことがあります。
健診での胃カメラの課題について
一般的に胃内視鏡検査(胃カメラ)は「のど」を局所麻酔しカメラを口から挿入して検査していますが、この方法ではどうしても「のど」に違和感・苦痛があり(いわゆるゲエー・ゲエーという嘔吐反射)胃カメラは苦しい検査だと思われています。
苦痛の少ない経鼻胃カメラ
苦痛を軽減する検査方法に、現在、当センターで行っている経鼻胃カメラがあります。
この方法はカメラを口からではなく鼻から挿入します。鼻を局所麻酔し非常に細いカメラ(鉛筆位の細さ)を鼻から食道・胃へと挿入することで、苦しい・苦しいと思われている胃カメラ検査を苦痛少なく(ゲエー・ゲエーという嘔吐反射なく)受けて頂けます。
また、操作中に会話ができるのも大きな特徴です。但し、苦痛には個人差がありますし、特に、初めて胃カメラを受けられる方で苦痛を訴えられる方もいらっしゃいます。
また、のどの苦痛はなかったが、鼻は痛かったと言われる方もおられます。
経鼻胃カメラの限界
但し、いくらカメラが細いといっても限度がありますので、極端に鼻の穴(鼻腔)の狭い人では挿入できないことがあります。
この場合には細いカメラを従来通り口から挿入しての検査になりますが、カメラが細いぶんだけ苦痛も少しは軽減されます。
また、カメラは局所を見て診断しますが、胃部X線検査(俗称:バリウム検査)は、胃全体の変形など病変の全体像を調べる場合には優れています。
経鼻胃カメラにご期待ください
経鼻胃カメラは胃レントゲン検査(バリウムによる胃透視)と比べても、検査中の体位変換はなく、検査時間も短く、検査後の負担も軽くすみます。
但し、個人差もあります。
経鼻胃カメラを平成19年4月から採用し、現在では年間1万人以上の方に受診していただいており、極めて人気が高い検査の一つとなっています。
それだけに、予約も殺到していることもあり、局所を見る胃カメラは隔年或は3年に1回ご利用いただき、それ以外は、全体も見る胃部X線(バリウム検査)を受けていただくのが賢い受診方法だと考えます。
経鼻胃カメラを受診できない方
- 体重170kg以上の方※1
- 歯科治療での麻酔によるアレルギーまたは気分不良等の症状があった方
- 当日、妊娠中または妊娠の可能性がある方※2
※1 安全上の理由により体重制限を設けております。 体重が上記の値を超える方につきましてはご予約の際または受診日までにお申し出ください。
事前のお申し出がなく、当日の身体計測において該当された場合は、検査をお断りさせていただきますので予めご了承ください。
※2 腹圧がかかり流産の可能性があるため、ご予約の際または受診当日受付でお申し出下さい。
また、胃内視鏡下でのピロリ菌検査は安全管理上の理由により、現在は実施していません。
これに代わるものとして血液で調べるピロリ菌検査を実施しています。
新しい経鼻胃カメラを導入
健診胃カメラのご希望は年々増加しております。
当健診センター胃カメラ室ではより詳細に効率よく健診胃カメラを行うために、2018年5月より富士フイルムメデイカル社の新しい内視鏡システム(FUJIFILM LASEREO7000)と上部消化管用経鼻スコープ(EG-L580NW7)を導入しました。
当該機種は2種類のレーザーを搭載し、発光強度比を変えて画像処理を行うことで多様な画像をリアルタイムで観察することができ、病気の早期発見が期待されています。
通常観察の白色光に加えて粘膜表面の毛細血管の構造を強調するBLI(Blue Laser Imaging)と粘膜表面の赤色領域と周囲のコントラストを強調するLCI(Linked Color Imaging)とあわせて3種類の画像にて内視鏡診断を行います。
FUJIFILM LASEREO7000について(外部サイト)
胃カメラ画質
胃カメラの細さ
上部消化管用経鼻スコープ(EG-L580NW7)は先端5.8ミリ、カメラ径5.9ミリの細径カメラながらも高精細画像対応カメラです。
【経鼻内視鏡口径】
左から成人女性小指、経鼻カメラと前処置に使用するビニールチューブ、当センターで使用している経鼻カメラ。
小指より細いカメラを使用します。
胃カメラの台数
ご希望の多い健診胃カメラを効率よく行えるよう内視鏡システムは5台、経鼻カメラは20本常備し、年間約15000件の健診胃カメラに対応しています。
【経鼻カメラ】
20本常備しています。
胃カメラ検査室
【健診カメラ室(当院8階):5ブース】
カーテンで仕切りプライバシーに配慮しています。
【胃カメラ検査台】
座っていただいてから自動でリクライニングする検査台を使用しています。
受診者様が検査中リアルタイムで画像を確認できるようモニターがついています。
胃カメラの清潔さ
胃カメラの洗浄機械はFUJIFILM社のESR-200、ESR-100を導入し、毎回の検査終了後すぐにエスサイド消毒液6%(ウイルス、細菌、芽胞の殺菌消毒)を
用いた過酢酸洗浄を行い院内感染には最善の注意を払っています。
【内視鏡洗浄機械】
8台あり機器の洗浄による待ち時間はほとんどありません。
胃カメラのスタッフ
当院健診センター内に内視鏡技師資格を持つ看護師が4名勤務しております。
内視鏡を担当する医師は通常、内視鏡学会指導医か専門医あるいは内視鏡経験5年以上の医師が対応しています。
内視鏡診断支援機能『CAD EYE™(キャドアイ)』を用いた最新のAI内視鏡検査を導入
内視鏡診断支援機能『CAD EYE(キャドアイ)』を用いた最新のAI内視鏡検査を導入しました。
富士フイルムが開発したAI技術を用いて、食道の扁平上皮癌疑いの検出(発見)や、胃の胃腫瘍性病変疑いの検出(発見)の支援を行う最新機器を導入いたしました。従来型の内視鏡検査とは異なり、AIを使った画像認識機能によって、優れた精度で病変部を検出することができ、ドクターの支援を行い早期発見に貢献します。
※CAD EYEとは富士フイルムが独自開発し、膨大な臨床データから深層学習(Deep Learning)を活用して開発した製品。
検出について
対象病変の可能性がある領域を表示し、報知音と共にリアルタイムに検出をサポートします。
適切な静止画撮影されていることを自動判定
意図的なスコープ操作が要求される「ランドマーク」が適切に静止画撮影されていることを自動判定し、画面上に結果を表示します。
食道検出支援モード
食道扁平上皮癌疑い領域の検出をサポートいたします。
食道扁平上皮癌である可能性のある領域を検出し、その結果を内視鏡画像に重ねてリアルタイムにモニターに表示します。
胃検出支援モード
胃腫瘍性病変疑い領域の検出をサポートいたします。
胃腫瘍性病変である可能性のある領域を検出し、その結果を内視鏡画像に重ねてリアルタイムにモニターに表示します。